妊娠にはさまざまなリスクが伴うものです。血液検査を通して血液型ＡＢＯやＲｈ、不規則抗体などの検査を行い「Rh不適合妊娠」と診断されると、戸惑う妊婦さんも多いでしょう。そもそも、Rh不適合妊娠の意味や、それによるリスクをきちんと把握できていない方もいるかと思います。そんな、Rh不適合妊娠に関して、症状の特徴や対処法などを詳しくまとめました📖

Rh不適合妊娠の意味や症状

Rh不適合妊娠ってなに？

血液型不適合妊娠とは、妊婦さんがRh陰性「Rh(-)」で、パートナーであるパパがRh陽性「Rh(+)」の場合に起きる可能性のある妊娠形態の一つです。これにより、母体のRh式血液型がおなかの中の赤ちゃんと異なるといった現象が起こり、血液型不適合な状態が起きてしまうのです。赤ちゃんは、妊婦さんとパパの遺伝子を半分ずつ引継ぐので、妊婦さん🤰🏻がRh陰性「Rh(-)」でも、パートナー側がRh陽性「Rh(+)」であれば、Rh陽性「Rh(+)」の赤ちゃんが生まれてきます。Rh陽性の赤ちゃんを妊娠した場合は、妊娠中特別な注意が必要となります。

Rh不適合妊娠の場合の影響は？

妊婦さんの血液と赤ちゃんの血液は、胎盤が境界の役割をし両者を隔てています。ですが、妊娠28週を過ぎたころより、赤ちゃんの血液🩸が少しずつ母体へと侵入することがあり、分娩時にも母体に赤ちゃんの血液が入ってしまう可能性が高くなります。こうなると、体内に入った赤ちゃんの血液を壊そうと、母体に抗体（抗RhD抗体）が作られます。この抗RhD抗体が母体にできてしまうと、第2子を妊娠した時に抗体が胎盤を通り抜け、赤ちゃんの血液のなかに移動してしまい、赤血球に反応してそれを壊してしまいます。そのため、赤ちゃんは貧血に陥ってしまいます。さらに、貧血の症状が重症化すると、心不全を起こし流産に至ってしまう場合もあるのです。また、無事に出産を行えても、出産してから赤ちゃんが新生児溶血性黄疸と呼ばれる病気にかかるリスクも高く📈なります。

Rh不適合妊娠と診断された時の対処法

Rh不適合妊娠の治療方法

Rh不適合妊娠と診断された場合、初めての出産はまだ体内に抗体（抗RhD抗体）が作られていないので、大きな問題などは起きないことがほとんどです。出産後、新生児に黄疸の症状が見られることがありますが、光線療法で治療を行い完治することが多いです。ですが、出産後母体に抗体が作られないために、ガンマグロブリンと呼ばれる成分を注入💉する必要があります。また、流産や人工妊娠中絶手術の際にもこの抗体ができることがあるので、注射をすることを勧められることがあります。

第2子を検討している場合のリスク

Rh不適合妊娠は、次回の妊娠の際に赤ちゃん👶🏻のリスクが高くなる妊娠形態です。ですので、第2子を希望されている場合は、受胎する前に抗体が作られていないかどうかの確認を血液検査を通して行いましょう。抗体が母体にできてしまっている状態で第2子を妊娠した場合には、適切な管理を行い出産後も赤ちゃんの血液をすべてRh陰性「Rh(-)」に変更する「交換輸血」を受ける必要があります。また、出産前にお腹の赤ちゃんに心不全などの徴候が見られた場合は、妊娠週数📅にもよりますが、帝王切開でお産を行ってしまい、母子分離をしてから赤ちゃんの治療を行う場合もあります。